実施中の試験研究

【みやぎ環境税活用事業】
温暖化に適応した高温に強いイネづくりの開発普及推進事業

担当部署
古川農業試験場 作物育種部 品種育種チーム,品種評価チーム(電話:0229-26-5105)
研究期間
2021年度(令和3年度)~2025年度(令和7年度)
研究目的
 近年,夏期高温により水稲の玄米品質が低下しています。特に平成22年や令和元年の一等米比率は,それぞれ72.4%,64.1%まで低下し,経済的にも大きな損失を生じました。
 一方,宮城県内では,幼穂形成期間である7月の低温も度々遭遇しており,依然として障害型冷害の懸念があります。平成28年と令和2年は,7月低温で8月高温傾向でした。
 このことから,高温年でも品質低下が発生しにくく,低温年の冷害に対しても強いイネ品種の開発と普及が急務となっています。また,高温登熟性に優れるイネ品種を効率的に開発していくには,本県で有効な高温登熟性に関わる遺伝子を見い出し,DNAマーカーを用いて遺伝子を集積していく必要があります。
 本課題では,既に育成している高温登熟性と耐冷性に優れた系統を,高温による玄米品質の低下が懸念される県南地域において栽培し,地域適応性や品質改善効果を検証すること,及び「東北234号」が保有する高温登熟性に関与するゲノム領域を明らかにしてDNAマーカーを開発し,高温登熟性に優れるイネ品種・系統の開発を加速させることを目的としています。
研究内容
 高温による玄米品質の低下が懸念される仙南地域に現地試験ほを設置し,高温登熟に優れた系統の収量や品質等の現地適応性を評価します。
 また,DNAマーカー開発のため,「東北234号」(高温登熟性“強”)と「初星」(高温登熟性“弱”)の分離集団及び戻し交雑集団を用いて,高温登熟性に関する遺伝解析を行います。

現地試験(仙南地域)

ガラス温室における高温登熟性検定

高温登熟性の強い系統

高温登熟性の弱い系統
関連情報
関連「普及に移す技術」、PR資料、研修会資料、会議資料等

 宮城県農業・園芸総合研究所
  (企画調整部 企画調整チーム)
  〒981-1243 宮城県名取市高舘川上字東金剛寺1
  TEL:022-383-8118
トップへ